2011年7月11日月曜日

古いMac OS Xのデータや設定を使いつつ、ベータ版の『Lion』で遊ぶ方法



最初はそこまでスゴイのか怪しいと思われていた『Mac OS X Lion』ですが、実際のところすばらしい機能が搭載されているようです
まだベータ版ですので、メインのOSとして使うには少々リスキーですが、もしリスクを負わずに使ってみたいのであれば、以下の方法でインストールできます。外部ドライブにインストールする必要もありません。
この方法でMac OS X Lionをインストールするには、以下の条件があります。
  • OS X Lionを入手すること
  • OS Xのターミナルコマンドが一応使えること

この二つの条件をクリアしていれば、インストールはとても簡単です。
まず、ハードディスクに新しいパーティションを作成し、そこにOS X Lionをインストールします。パーティションが分かれているので、どちらのOSも起動可能。重要なファイルは古いOSからリンクして使うので、バックアップをとる必要はありません。そのため、ディスクスペースを無駄にせずに済みます。
もし、アップデートしたLionが気に入らなかったとしても、ダウングレードできなくなる心配はありません。実際の手順は以下の通りです。
耳より情報
Mac OS X Lionのベータ版を持っていない人は、デベロッパプログラムにサインアップすると、簡単に入手できます。99米ドル(約8000円)で、1年間ベータ版を利用可能です。


■Mac OS X Lionのインストールとアップデート
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Lionをインストールする前に、使用中のディスクに新しいパーティションを作成する必要があります。こうすることで、今の安定したOS XとLionを、再起動するだけで切り替えて使えます。手順は以下の通りです。
  1. ハードディスク(12.5GB)にパーティションを作成。あなたの機器に最新版のMac OS Xが入っているからといって、それを消す必要はありません。ディスクユーティリティを開き、新しいパーティションをハードディスクへ追加するだけです。

    ※注 新しいパーティションを作るにはかなり時間が掛かりますし、現在の起動ディスクを使う場合は失敗することもあります。Lionのインストーラのように、他のディスクから起動してからパーティションをリサイズすれば、時間と手間を省けます。ディスクのライブパーティションがマウントされない時は、この方が早くて良いです。
  2. 新しいパーティションにMac OS X Lionをインストール。
  3. インストールが終わると、Lionが自動的に起動します。通常通りに設定をしますが、アプリやファイルなどのユーザーアカウントは移行しないでください。グローバルシステム設定は移行できますが、他のものは何も移行しないでください。時間の無駄ですし、後で問題が起こります。
  4. セットアップアシスタントが終わったら、Lion用に何か新しいアップデートがないか、ソフトウェアアップデートを起動しましょう。Appleメニューから実行できます。


■システムとの連携
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これで、OSのアップデートに必要なことはすべて終わりました。
次は、パーティション間でファイルを共有できるように、古いシステムと新しいシステムを連携させましょう
「Mac OS X 設定アシスタント」をやるかやらないかは個人によるところが大きいので、どの設定とどのファイルを移行するといった細かい設定をするには、手動でやらなければいけません。
以下の手順に従って、自分の情報を新しいOSへ移行し、古いシステムと連携させていきましょう。
1.
最初にLionを使ってみて気付くのは、ホームフォルダにライブラリが見あたらないことかもしれません。これを変更するのはかなり面倒です。
ただ、運良くターミナルコマンドを使ってこの問題を解決することができましたので、それをご紹介しましょう。「ハードドライブ > アプリケーション > ユーティリティ」からターミナルを開き、
chflags nohidden /Users/[Username]/Library
[Username]のところには自分のユーザー名を入れる)と入力しましょう。これでライブラリがホームフォルダに表示されます。

2.
次に2つのウィンドウを開きます。1つ目は古いOS Xのライブラリのウィンドウ、2つ目は新しいLionのライブラリのウィンドウです(古いフォルダを左、新しいフォルダを右など、置く位置を決めておくと混乱せずにすみます)。
「Preferences」などの設定フォルダやファイル、設定パネルなど、Lionでアプリの設定に必要そうなものはコピーしましょう。また、「Application Support」のファイルも、Lionでアプリを使いそうであればコピーします。
もしくは、どちらのOSを起動したかに関係なくデータがアップデートされるので、「Application Support 」の中にあるフォルダのシンボリックリンクを作るといいかもしれません。
シンボリックリンクについては、次の手順で説明します。いつでも戻れるので、何か忘れていても大丈夫です。

3.
パーティションをまたいでファイルやフォルダをコピーしたくない場合や、複製されたものがたくさんあるのは嫌だという場合は、シンボリックリンクを作る方がいいでしょう
Lionから古いOSのパーティションにシンボリックリンクした方が簡単です。シンボリックリンクは、ファインダーで見ると同じように見えるかもしれませんが、エイリアスを作るのとはちょっと違います。シンボリックリンクは以下のターミナルコマンドを使って作ります。
ln -s [Path to Old Partition Folder] [Path to New Partition Folder]
この[Path to Old Partition Folder] のところを、Lionの同期したいフォルダのパスに、[Path to New Partition Folder]のところを、古いOSの同期したいフォルダのパスに置き換えればOKです。

設定をコピーし、シンボリックリンクを作成したら、移行完了です。新しいパーティションに実質的にファイルは保存されませんが、古いOSとほぼ同じ環境でLionを使えます
手動でいくつかの設定を移行させたり、いくつかのアプリを再インストールする必要があるかもしれませんが、ほとんどはそのまま使えるはずです。
これで、一通り試してみた後で古いOSに戻りたくなったとしても、いつでも戻れます。Lionを思う存分遊んでくださいね! 

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